Veeam Executive Round Table

ヴィーム・エグゼクテイブ・ラウンドテーブル

2021 年11 月30 日(火)

中之島フェスティバルタワー37 階
ラ・フェット ひらまつ

2021 年11 月30 日(火)、ヴィーム・ソフトウェア株式会社主催、特定非営利活動法人CIO Lounge 共催のもと、大阪府大阪市ラ・フェット ひらまつにてヴィーム・エグゼクテイブ・ラウンドテーブルが開催されました。関西有力企業のCIO メンバーの方々、ヴィーム・ソフトウェア、CIO Lounge から関係者が出席した、計23 名によるラウンドテーブルです。

開会のご挨拶

古舘 正清

ヴィーム・ソフトウェア株式会社 執行役員社長

ラウンドテーブルはヴィーム・ソフトウェア株式会社 古舘 正清の挨拶で始まりました。現在はデータの移動を前提としたインフラ設計が必要な時代になりつつあり、その中で企業の資産であるデータをどう管理するかが重要になっていると発言。

また、ランサムウェアによるバックアップデータへの被害が多数発生しており、データを守る方法を見直す必要があるのではないかとも指摘し、本日はクラウドやセキュリティの観点から参加者様の意見を知りたいと述べました。

SESSION 1

企業におけるDX推進 ~情報管理からの考察~

矢島 孝應 氏

CIO Lounge 理事長(元ヤンマー株式会社取締役CIO)

最初のセッションはCIO Lounge 理事長 矢島 孝應 氏による「企業におけるDX 推進 ~情報管理からの考察~」でした。矢島氏はまず、IT 革新による経営革新を一貫して推進してきた自らのキャリアともに、CIO Lounge を設立した経緯を紹介しました。「企業経営者と情報システム部門」と「企業とベンダー」の架け橋となり、各企業様の効率化・持続的成長に貢献する、という理念のもと、「お客様と共に考え、課題解決策を提言し、効果まで見届ける」CIO Lounge の活動を解説しました。

矢島氏は新型コロナウイルス流行下でもIT/ デジタル化による効率化と新たな取り組みを進める企業がまだ少なく、1~2 年後には企業競争力に大きな差がつくだろうと分析しました。さらにCIO Lounge が実施した、中堅から大企業200 社の経営者への調査結果を踏まえ、過半数の企業が自社は遅れていると考えている実態を紹介し、有用なツールとしてのIT を十全に使いこなせていない面を指摘しました。

また、「経営者」「事業部門」「IT 部門」が共に理解して活動を推進できているかという調査から、連携できていると回答した企業が1/3 以下である実態を紹介。グローバルな全体最適、グループ経営強化には上記3 部門による三位一体の活動が不可欠であることを提言し、事業構造における各領域について3 部門がそれぞれの責任を発揮する施策と推進方法のモデルを提示しました。

矢島氏は企業におけるIT 化の変遷にも言及し、IT/ システム化の対応範囲が時代を追うごとに広まり、もはや統合化は不可能であると指摘。従来の基幹システムに社会/ 業界との連携を考慮する必要がある現状を述べました。こうした一方、セキュリティの重要度が増すなかで、情報セキュリティに対する認識がまだまだ低く、専門部署が少ない現実を調査結果から紹介。経営者の目的と情報セキュリティの対応を一致させる必要があり、CIO Lounge がその橋渡し役を務めたいと話しました。

DX は本来、Digital Transformation(デジタルによりビジネスモデルを変える)の意味ですが、あるべきDX とは「BX by デジタル」、デジタル技術を活用してビジネストランスフォーメーション(BX)を実現することだと、矢島氏の考えを表明しました。しかし、このDX は短期で実績に結びつくものではないため、企業使命は経営者が決定しなければならず、それによって取り組むDX の方向性も大きく変わると提言しました。

矢島氏はさらに、「with CORONA」「after CORONA」の時代について言及しました。在宅勤務やテレワークにより、従来のシステムで対応してこなかった部分が顕在化していると指摘。IT やデジタルの民主化を進める企業こそがIT 先進企業として生き残ること、社員全員の取り組みとしてIT マネジメントは「Centralization」しながら実行は「Localization」し、各部門がIT/ デジタル化の加速に対応する必要があると述べました。そして全体のまとめとして、ビジネススピードの急速な変化がビジネスのアジャイル化を生み出しており、情報システムが作り出す価値が非常に重要になっている点、コーポレートガバナンスにまだまだデータや情報が含まれていない点を指摘し、経営者こそがより理解を深める必要があると提言しました。

意見交換


矢島氏のセッションを受け、会場の出席者からさまざまな意見が寄せられました。

香月 裕司 様

JR 九州システムソリューションズ株式会社 代表取締役社長

自社ではIT 部門がグループ会社を巻き込んでセキュリティ基盤を構築したため、「経営」「事業」「IT 部門」の三位一体がある程度推進できているとのこと。しかしビジネスプロセスにおいてIT 部門の存在価値がやや弱い部分があるので、プレゼンスを高めるための実践的な取り組みも進めており、より高度な三位一体を目指していることを発表されました。

中島 浩之 様

株式会社滋賀銀行 上席理事

目標を決めてやり抜く縦割りの組織はできているが、さらに横串を刺して、新しくできた業務を他部門と連携する発想で物事を組み立てていきたいと発言。特に銀行業界では、業務へのIT 活用の早い段階からシステム開発が進められてきたため、昔ながらの仕組みで利用者に安心・安全を提供している面があり、そこに新しい技術をどう取り込んでいくか考えたいと発言いただきました。

政野 秀一郎 様

大阪市高速電気軌道株式会社 ICT 戦略部 部長

独立意識が高い各事業部門に横串を刺そうと対話を進めており、それぞれの立場でどのようにIT を使うか、相手の話を聞きながら提案するように心がけているそうです。会社としてはMaaSについてのDX を特に進める方針があり、よりモビリティの高い企業としてトランスフォーメーションすべく、さまざまな角度からMaaS に取り組もうとされている旨、お話しいただきました。

岡島 万樹 様

日本電産株式会社 執行役員 最高情報責任者 最高情報セキュリティ責任者 情報システム部担当 情報システム部長

DX 関係のプロジェクトを複数推進するにあたり、プロジェクトのオーナーシップを明確にすることを意識されたと発表いただきました。プロジェクトが何を狙いとして何を実現するかといった目標を現場が明確にし、現場、経営陣、IT 部門がそれぞれの責任を取ることが三位一体の入り口で、その仕組み作りに尽力されているという実体験をご紹介いただきました。

SESSION 2

ヴィーム・ソフトウェアの概要
およびソリューション・事例紹介

吉田 慎次

ヴィーム・ソフトウェア株式会社 システムズエンジニアリング本部 本部長

矢島氏との質疑応答後は会食の時間となり、参加者の皆様には会食・歓談をお楽しみいただきました。その間、ヴィーム・ソフトウェア株式会社 吉田 慎次より、ヴィーム・ソフトウェアの概要と活動事例を紹介するセッションを行いました。

はじめに、世界のデータ保護市場とその中のVeeam の位置づけを説明しました。データ保護市場のシェアはヨーロッパで1 位、世界では2 位と紹介。あわせて、ネット・プロモーター・スコア(顧客推奨度)も非常に高い結果が出ていることを説明しました。クラウド、仮想、物理、SaaS、アプリと、さまざま場所のワークロードを保護するクラウド・データ・マネジメントが評価されており、IDC やガートナーの調査でも高いスコアが出ていると述べました。

また、最新のデータ保護に求められる要件と、それに対応したVeeam のソリューションについて紹介し、包括的なプラットフォーム、ランサムウェア対策とセキュリティ、データポータビリティとクラウドモビリティなど、顧客の求める8 要件を満たしていることを説明。柔軟なライセンス体系(ユニバーサルライセンス)を整備し、簡単な操作でバックアップ可能であることが好評であると強調しました。

最後に、さまざまな局面に応じた事例/ ユースケースについて、具体的な企業名や製品名、Veeam が選ばれた理由と導入後の効果を紹介しました。SaaS データの保護では、クラウドサービス利用におけるリスク例を説明し、ビジネスリスクの最小化、安定した稼働をもたらした実例を共有しました。大規模環境のデータ保護、ハイブリットクラウドやマルチクラウドでのユースケースなど、多様な状況に対応できるVeeam 製品の導入事例についてご紹介しました。

閉会のご挨拶

山中 孝城

ヴィーム・ソフトウェア株式会社 中部・西日本支社 執行役員 支社長

最後に、司会を務めたヴィーム・ソフトウェア株式会社 中部・西日本支社 執行役員 支社長 山中 孝城が閉会の挨拶を行いました。

挨拶ではユーザー様同士がCIO Lounge 様のような識者の方々に参加いただきながら相互理解を深め、オールジャパンでビジネスを推進すること、ヴィーム・ソフトウェアもその一助を果たしていきたいこと、今後も引き続き同様の会を開催していきたいことを述べ、ラウンドテーブルは盛会の中幕を閉じました。

共 催


特定非営利活動法人CIO Lounge